ママちゃんと共に

パーキンソン病のママちゃんと楽しく過ごそう

『見守り』という選択

【介護】に対して人それぞれ色々な考えが
あると思うが、わたしは…


『介護はする側とされる側が必ずしも同じ方向を
向いているわけではないのでは?』と思う…


【する側のエゴ…】
【される側の負担…】


という場合もある、もちろん家族や周りの人が
頑張ってくれるからそれをエネルギーに
頑張っていこう!と思ってくれる人もたくさん
いると思うが


【エゴ介護】になっていないか…
とふと現状を見つめ直すことがある


だから、わたしはママちゃんにこういう…
『寝たきりになったって良いんだよ』


それは自分なりに、今までの経験から
芽生えた感情…今のところの着地点だ
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初めて【介護経験】をしたのは一緒に住んでいた
おばあちゃんだった…カラダの自由はきくが
とにかく【認知症】がすごかった


わたしの旦那はメディカル介護施設で働いている
何をどうして良いか分からなかったわたしは
彼から色々学んだ


年数としては1年程で、ようやく少し慣れてきた頃
90才を迎える数日前、ほんの一瞬の間に旅立って
しまった…


周囲はみんな
『これだけ良くしてもらえて、幸せだったよ』
『ピンコロは素晴らしい』
『大往生だよ』


と声をかけてくれたが…
『もっとやれる事はあったはず』
『何で今?どうしてこんな一瞬で』


と、わたしの身と心は引きちぎられたように
後悔が残り苦しかった…
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そして一昨年…
飼っていたワンコちゃんが突如【てんかん】を
起こして、そこから10ヶ月の介護生活


ワンコちゃんは、痛いも辛いも何も言わない…
きっとこうだろう…と察するしかなかった


【てんかん】というのはお医者さん曰く、
『痛いわけでも何でもないんだよ』
と言うけれど、発作が起こるとそれはもう
こっちの心臓が止まりそうになるくらい…


泣き叫びながら後ろにバタバタひっくり返って
しまうから、ワンコちゃんが眠りにつく時間以外は
ずっと抱っこして過ごした…


『わたしが絶対守り抜くから、お願いだから
元気になって…何でもするから』と声をかけながら
ひと口でも食べさせ、飲ませ…


頭の中には「食べれば元気が出るはず」という
考えだけで、すり潰したご飯を少しずつ
口の横から注射器で入れていた…


家族も
『あなたの方がカラダをこわす。お願いだから
もう少し休んで…もう食べないなら仕方ないよ』
と言われても、大泣きしながら


『わたしがやらなきゃ。この子はどうやって
食べるの?どうやって生きていくの?』


と、今思えば過剰すぎた…


そして、ママちゃんはわたしに
『ワンコでもこんな状態で、わたしがこうなったら
あなたは一体どうなってしまうの、すごく困る』


と言われた瞬間、フッと我にかえり
新たな感情が芽生えた


こんなに苦しい思いをさせて…
薬をいっぱい飲ませて…
頑張ってくれと声をかけ続け…


本人にとってどうなんだろう…わたしが必死で
『生きてくれ』
と訴えるから、辛いカラダにムチ打っているのでは
ないだろうか…


今の介護は「わたしのエゴ」でしかないのでは…


最期の旅立ちのとき


わたしのために頑張ってくれて
ありがとう…苦しい思いさせてごめんね…


とまた悔いが残った



どんな介護であれ、結局悔いは残るものだと
思いつつも、本人の気持ちを先ずは優先的に
考えようと思った…
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旦那の仕事場での話を聞いていても


寝ているところをいきなり起こされ、車椅子に
乗せられ、食堂に連れて行かれ、ドロドロの食事
や刻み食を食べさせられている姿


車椅子で寝てしまっているのにレクリエーションで
笑顔もなく風船を持たされる姿を見ていると


自分だったらゆっくりベッドで寝かせて欲しい…
これがはたして正解なのだろうか…
良くわからなくなる…


と言っている


【介護される側の意思…】
【介護する側の思い…】


例え辛くても、エゴ介護には気をつけようと思う…


今日のママちゃんは
『またしっかり歩けるようになりたい』
と言っている…


『自分がそう望むなら多少辛くても、運動も
リハビリもやるしかない!頑張るしかない!
わたしがやる【足上げ体操】がママちゃんの
カウントになるならいくらでも代わってあげるけど
そうはいかない…やってダメなら違う道を考えれば
良い、やらないでダメはもったいないよ』


そして…


『もし、ゆっくりベッドで過ごす毎日を望むなら、
それでも良いと思う…それもひとつの選択だから』
と声をかけながら、自分にも言い聞かす


わたしの気持ちを優先させたら、頑張らせてしまう


わたしにも【見守り】という心の介護の選択肢を
つくることも必要だ


ママちゃんの人生、ママちゃんの気持ちが1番だ